春の便り

3月とはいえ、寒い寒いとコタツから抜け出せない軟弱な(幸)です。

春は寒くて、もーいけません。多くの人が春が来た〜〜と喜んでいる傍で憂うつな顔をしています。春はいちばん苦手な季節であります。別に花粉症持ちとかではないんですけどね、どーいうか子どものころから春は苦手なんです。友人たちは「心に病を抱えているんじゃないか」などと勝手なことを言いますが、そうかもしれないし違うかもしれない。理由は不明です(笑)。しかも世の中、不安と不信満載で、気分が上がらない最近。面倒な性格の上に猜疑心が上塗りされて、自分を持て余しています、このごろ。

 

そんな鬱々とした私の元へ、先日、嬉しい便りが届きました。

障害者施設の『well(ウェル)』さんから送ってもらったものがあるのですが、それが入っていた封筒がとても素敵だったのです。それがこちら。春の熊本城ですね。もうこれは「在りし日の」になってしまいましたが・・・(熊本のみなさん、その後はどうでしょうか、元気にされていますか〜)。

もうお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、これはwellさんのカレンダーをリサイクルしたものなんです。まだありますよ、こちらは福岡の山笠で有名な櫛田神社。

wellさんは毎年、九州各県の名所旧跡やお祭りを題材に、カレンダーを作っています。特筆すべきは、これが手刷りの版画であること。もちろん日付部分も全部。職員さんが版画を刷り、メンバーさんがステンシルで上から色付けしています。一枚一枚丁寧に。制作は1年がかりです。施設のみんなで出かけた場所などを参考にしているとのことで、それもいい発想ですよね〜。

すごいですねーって、お礼がてら電話をすると「これ藤野さんが言われていたことですよ」と施設長Nさん。「え?何ですか??」と私。「以前、取材に来られた時に言われたでしょ、使用済みカレンダーを捨てるのはもったいないから、封筒にすればいいって。だから作ってみたんです。アドバイスもらって嬉しかったです」と。あー、そういえばそんなことがあったなあと思い出しました。

 

その時、本当にそう思ったんですよね、別にアドバイスとか大層なもんじゃなく。だってだって、丹精込めて作られたものですから、捨てるなんてもったいなくて。それを憶えていてくださって、実行されたことがとても嬉しかったです。少しはお役に立てて本当によかった!

 

新しい商品として、みなさんに紹介できる機会をつくらねばですね。そう、別冊がありますから。

こんなふうに少しずつ情報を集めながら、別冊は形を整えつつあります。ぼちぼち取材も始まりますよ!

(幸)

 

| - | 15:35 | - | - | pookmark |
紙が好き

しばらくぶりでございます。

今日は今年に入ってアリヤに届いた福祉関係本を3つほど、紹介したいと思います、の(幸)です。

 

ネット全盛時代(この言い方もすでに古いですが)、紙媒体は廃刊だの休刊だのと、どんどん少なくなってきています。

私の個人的好みとしては、紙媒体が好きです(それが仕事というのもありますが)。ので、陰ながら応援しています。

 

一番目はこちら。

もうご存知ですよね、NPO法人スウィング発行のフリぺ『Swinging』。

swinging

フリぺとは思えない充実ぶりで、全国にファンがたーくさん(いると思われます)。

今回も特集はふざけてます(ほめてます。笑)。ぬ、ぬ、沼田亮平?だれ??いやいや、面白いです。この視点はスウィングならでは。他ではまねできません。毎回、楽しみにしている施設長・木ノ戸氏のエッセイ。今回も言いたいこと言って(ほめてますよ〜)なかなか強烈であります。読んでいると、毎回コペルニクス的転回が訪れます。あ、ほんとに。

ちょっと抜粋。

出来ること=良いこと(素晴らしいこと)、出来ないこと=悪いこと(ダメなこと)といった価値観って一体何なのだろう。〜〜〜

という疑問への答えには、強く頷きました。読みたい人は、年会費3000円(個人)の賛助会員になると、黙ってても送ってくれますよ〜。

 

そして次はこちら。

これもお馴染みの『コトノネ』。もう21号にもなったんですね。

今回も力の入ったハードな記事が満載です。巻頭からの「シルバー・アート 老人芸術」は異彩を放っております。たまりません!

特集もさることながら、インタビューが興味深い。東大准教授・熊谷晋一郎氏、表紙の方ですね。ここはもう必読ですよ。「相模原障害者殺傷事件」を受けてのインタビューです。

13号から続けてきたアリヤの連載は、今回が最終回です。里見編集長のコメントまでいただいて、恐縮するもとても嬉しかったです!今後も応援しています。コトノネ=780円

 

さて最後はこちら。

『切り抜き速報 福祉ニュース 障害福祉編』初めて知りました。

誌面は全部新聞の切り抜き。全国紙、地方紙、ブロック紙、専門紙はもちろん、通信社、政党紙まで、全国85紙の新聞記事から、福祉に関する情報をスクラップしたもの(A4判96頁=1500円)。すごい情報量です。福祉編の他にもシリーズで、社会、食と生活、教育、科学と環境、医療と安全、保育と幼児教育などなど、月刊で発行されています。

 

実は今年の初めから西日本新聞で毎週木曜日の生活欄にて、障害者施設商品を紹介するコラムの連載をしているのです。その記事の掲載許諾のため送られてきたのでした。2回目に書いた、アリヤの点字封筒のことが載ります。こんなにたくさんの新聞の中から見つけ出すって、何ともはやすごいですね〜。

 

スタイルはそれぞれあって、面白いですよね。って、他の媒体見て感心している場合じゃありません。アリヤ別冊もがんばらねば。アリヤはアリヤとしての視点で、生活を豊かに楽しくする方法を考えていきます。

(幸)

 

| - | 08:52 | - | - | pookmark |
実はサーカス団なのだ

新年会

もう1月も終わろうかというときに、チーム・アリヤの新年会をしました。

何でも一足遅い、鈍足アリたち(笑)。

新年会とは名ばかりの別冊の打ち合わせでもあります。

メンバーは、デザイナーYさんと(神)と私(幸)の女ばかり三人。

 

実を申せば「別冊作るぞ宣言」をしたものの、本当に作るかどうか、ずっとずっと迷っていました。

この期に及んでも迷っていました。

 

理由は大きく三つ。

一つは、いつも抱えている資金問題。

もう一つは私の体力問題。

最後の一つは、デザイナーYさんの家庭の事情によるものでした。

上の二つは自分が何とかすればいい。

一番気がかりなのは、Yさんのことでした。

 

アリヤは、私に賛同してくれた(巻き込まれたというウワサもある。笑)クリエーターたちで作っています。

チーム・アリヤとして、ライター(神)、デザイナーYさん、カメラマンH氏、そして企画・編集(幸)の4人がそのメンバーです。それは1冊の本を作るための最低人数。その中の一人が欠けると、もうアリヤは作れないという、綱渡りのサーカス団。それぞれに仕事を抱えながらもこの10年、本当によく乗り切ったと思います。時々綱から落ちそうにはなりましたが(私が)。

 

デザイナーYさんは昨年から、両親の介護のため仕事をやめて、市外の実家で暮らすことが多くなりました。

もう、これ以上は無理をさせられない・・・と、私はひとりでぐじぐじ考えていました。

Yさんからいつ「もう無理です」と言われるかと、内心ドキドキしていました。アリヤの現場は過酷でありますゆえ。

もうそのときは快くOkしようと、そうなったらなったで私も諦めがつくかも、もうしんどいしいいか、なんて自分に言い聞かせてたりして・・・

この日はYさんの本当のところが知りたくて、設けた新年会でもありました。(二人にはナイショでしたが・・・)

 

ところがこの日、Yさんはとても明るく元気にこう言いました。

「実家でもネット環境を整えましたよ!」と。

だから、いつでもやれると。両親の介護の問題も家族でいろいろ解決法を見出しているとのこと。

 

おおっっ!!

 

と、思いつつも、本当に大丈夫? 私は中止しようかと思っていたけど・・・私も何だか体力に自信がないし・・・

とぐずぐず言っていたら(神)が、

「ダメですよぉ、別冊を登録してくれた人たちがいるんですからぁ、待ってますよぉみなさん」と、激しくダメ出し。

(わかってますって、もったいぶって言ってみただけだからね〜。)

 

ひとりであれこれ考えていたある日、ふと思ったんです。

 

今の状況は、アリヤ創刊のときと同じじゃないかと。

道はあれど、そこに降り立つのがとても難しかった10年前。

諦めようとして、喪失と絶望の淵に立った10年前。

 

同じ崖っぷちなら、やりたいことをやったほうがいい。

その時、壊れそうな自分を支えてくれたのは、諦めることではなく、本気で飛び込むことでした。

 

それぞれに事情はある。

けれど、それが何だ。

本気かどうか、天からの問いが、そこにはあるだけでした。

 

と、ここまで引っ張ってきましたが(笑)、別冊への道は障害物競争よろしく、何とか始まりつつあります。

なにせチーム・アリヤはサーカス団ですからね、アクロバティックにやり遂げてみせます!

(綱から落ちないようにしなきゃなあ・・・)

(幸)

| - | 10:40 | - | - | pookmark |
素顔のままで

寒波襲来で寒い日が続いています。

もともと引きこもりがちなチーム・アリヤ。内気(笑)に寒さが加わると、取材やよほどの用があるとき以外は外に出ません。って、もう、なんでこういう仕事をしているの!?っていう突っ込みはナシでお願いします(笑)。

 

それでも先週は三越で開催された、福岡県の障害者施設商品『まごころ製品』の販売会に行ってきました。

アリヤ休止後、障害者施設からは足が遠のいていましたので、じわ〜っと見ていたんですけどね、やっぱりあんまりのご無沙汰なのでなんか悪いなあと・・・。それでもみなさん、変わらぬ笑顔で声をかけていただいて、嬉しかったです。懐かしくて同窓会的気分になったりして(笑)。

 

その販売会へは、別冊のためのリサーチも兼ねて行きました。

これだけの商品を一度に目にする機会はなかなかないですから、そこは貴重な情報収集の場です。あることないこと突っ込んで聞くものだから、???的な顔をされるところもありましたが、突っ込んで聞いたところはそのうち電話がかかってきますからね、ふふふ。いやいや、アリヤ的にとてもいいものをたくさん見つけました。

 

商品は年々グレードが上がっています。

一般市場を意識したものもたくさん目にしました。たとえば、企業や老舗店とのコラボ商品などがそうですね。専門家監修ものもそうです。それはとても努力が必要だったでしょうし、今後の希望も持てるというものでしょう。

 

ただ、アリヤ的にどうしてもそそられるのは、施設が独自でやっていること。

ほぼ、自分たちの力でやっているコトやモノ。見た目どうであれ、そういうものがやっぱりカワイイと思えるのです。いや、カワイイという表現が適切であるかどうかはわかりませんが・・・ああ、どう言えばいいのでしょうか・・・一般のもの、らしくなるのは、なんだかつまらないのです。みんな同じような服を着て同じようなお化粧をして・・・みたいな・・・。私たちがマニアックなのかもしれませんが(笑)。

 

今までは一般市場を基準に追いつけ的なモノのつくり方をされてきたでしょうし、アリヤ的にもそこが基準ではありました。もちろん、品質についてはそこは外せないものです。でも、もうそんなに「お化粧」をしなくても大丈夫、そう、すでに十分魅力的です。素顔がきれいだから大丈夫。と、個人的には思っています。

 

その「素顔」とは、「誠実」「真面目」「真心」という、揺るがないこの三つの要素ですね。ただ悩ましいのが、その三つと、「手作り」「丁寧」などのキーワードだけでは、消費者を動かすことは難しい時代であるということ。それはずっと消費が落ち込む中、一般の企業であれ作家ものであれ、同じように努力をしているわけですから。それでいいと言っておきながらなんだ!って感じですが、基本は揃っている、あとは自分たちの魅力をどう表現するか、ですよね。そこが一番の悩みどころ。

 

まさに、今、アリヤ別冊はその課題に取り組んでいる最中です。

で、アリヤが見つけたものは奇をてらうことなく、するっと自分たちのままをやっていること、や、ものたちです。

おいおい制作が進む中で、またお知らせできればと思いますが・・・秘密にしておきたいかも(笑)。

 

写真は、施設同士でコラボした商品です。木工と、さをり織りをやっている施設でコラボしたと。

これは実は、とても珍しいケースなんですよね。

「施設は案外、横のつながりがなくて・・・」とその職員さんが言われていました。「施設同士、やれることで力を合わせていけば、もっと何かができるはずだ」とも。まさに! そう思います。「それに気づいて、自分から話を持って行きました」と、その若い職員さんが言われていました。なんとすばらしい行動力!

 

こういうことも含め、別冊では、多様性のあるさまざまな動きを追いたいと思います。

しばし、お待ちを!

(幸)

| - | 01:25 | - | - | pookmark |
引き戻すもの

本

 

あけましておめでとうございます

 

2017年の初仕事(?)はアリヤのブログを書くこと。

早々にFBは投稿しましたがブログはやっぱりボリュームが違うので、少し気合いが入ります。今年からはもっとブログの投稿を増やそうと思っています。そう、定期発行が終了したので、すこーしだけ(いやたくさんかも)寂しいのかもしれませんねぇ・・・なんか、いつも会っていた人たちに会えなくなった、というか。ええ、読者のみなさんのことです。直接お会いしたことはないですが、アリヤを作るときはいつもみなさんの顔を思い浮かべながら作っていましたから。お顔はわかりませんが、何となくぼわっとたくさんの笑顔が見えるのです。きっと喜んでくれるに違いないと、そう思って作っていました(と己惚れています。笑)。

 

ここで正直に言うと、何年か前からこの制作という現場から引退しようと思っていました。すごく疲れていたし、年も感じていましたし。ところが、そう思えば思うほど、節目節目で引き戻す何かが現れるんですね。前に書いた友人の死もしかり、そうしてまた自分が好きでのめり込んでいるものもしかり。

 

このところずっと映画にはまっていて、昨年はもう何十本観たやら。

もともと映画好きにもかかわらず、この何十年かは時間的にも経済的にも余裕がなくて隅っこに追いやっていました。ところが昨年、某レンタルショップで金曜日に限り60歳以上旧作無料のカードを作ってもらったんです。そこから毎週通うわ通うわ。今度生まれ変わったら、映画制作の道に進みたいと思っているくらいで。美術担当がいいなあ←遠い目。

 

で、昨年末のこと。友人から一冊の本が送られてきました。

それが最初の写真です。

『ウェス・アンダーソンの世界 グランド・ブダペスト・ホテル』

この『グランド・ブダペスト・ホテル』は、かなり有名な映画なので観た人も多いと思いますが、もうすごーく気に入って。と、いうのを知ってた友人が、この映画のメイキング本をプレゼントしてくれたのです。限定3000部しか発行されないので、死ぬほど読みたかったけれど諦めていました。「アリヤの10年、お疲れさまでした。がんばったで賞」のプレゼントだと、カードに書かれていて、ああ、もう、どうしましょう・・・胸がいっぱいです・・・

 

別冊発行を決めてからというものずっとイメージトレーニングをしていて、映画鑑賞もそのひとつと言えばそうです。家族はずっと遊び呆けていると思っているでしょうが。まあ、私たちの仕事は傍から見れば遊んでいるようなものですしねぇ。でもその遊んでいるように見えるときが、いちばん大事な仕事をしている時という、わかりにくい構造をしていまして。あ、ホントなんですよ(笑)。

新しく発行するからには今までとは違うものを作りたいという思いが強く、それはもう創刊するのと同じような気持ですね。お正月休みにこの本を夢中で読んで、モチベーションがいっきに上がりました。早く別冊をつくりたい!と。

 

しおり

※中の栞は、映画の一場面が使われています。このケーキ屋さんがまたかわいいのですよ。

 

障害者施設商品が、もっと暮らしに入っていくこと。

普通に自然に素敵に、そこにあること。

それをどう表現するのかまだまだ悩み苦しんでいますが、もう自分たちの好きに作ろうと。

ああ、それがいちばん難しいというのに。また自らハードルを上げてしまった・・・

 

さて、私たちの「好き」にどれくらいの人が付き合ってくれるでしょうか。

あ、たったひとりでもいいのですよ。その人のために作りますとも!

(幸)

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